大麻布

日本人は、古くから植物を衣服や縄など、生活道具として利用してきました。
その中でも、特に関わりの深いものの一つが大麻草です。
大麻草はアサ科の1年草で、最大で3~4m程の高さになります。
この大麻の茎の部分の繊維を用いて糸を作り、それを編んで縄にしたり織って布にしたりして生活の中に利用してきました。

【大麻の歴史と神道】
大麻の歴史を遡ると、現在発見されているものだけでも1万2千年程前、縄文時代の遺跡から大麻の繊維や紐が出土しています。
漁をする為の網や釣り糸も大麻、弓に使われる糸も大麻と、日本人の生活に欠かせない植物なのです。
更に、生活の中だけではなく、大麻は日本の宗教である神道にも深い関わりを持っています。
神社のお賽銭箱の処にある鈴のついた紐や、神主さんが持っているお払い用の大麻(この場合「おおぬさ」と読む)、巫女の髪を束ねる紐など、神社の道具には大麻が多く使われているのです。

【暮らしと大麻】
前述のように、古くから日本人の暮らしと文化に深く関わってきた大麻草ですが、
その特徴に、成長が早くまっすぐ育ち、丈夫であるという点があります。
このため、そんな風にすくすく育って欲しいという願いを込めて、昔から赤ちゃんが身につける服には麻の葉模様がよく描かれているのです。

【大麻と麻の関係】
現在、服のタグに「麻100%」などの表示がある「麻」は、大麻とイコールではありません。
現在、麻という場合に使われる植物は主に2つあり、カラムシと亜麻が多く用いられています。
このほか、ジュート麻やサイザル麻など、様々な植物も麻と呼ばれていて、植物繊維の総称のような状態になってしまっています。

【大麻布ができるまで】
大麻の生産は、5月中旬に種を蒔き、間引きをして成長を待ちます。
そして8月末頃に収穫し、葉を落とし十分に乾燥させてから水につけて柔らかくします。
その後皮をむき、不純物を取り除いたり柔らかくする工程を経てようやく糸績みの作業に入ることが出来るのです。
そうして糸にして織機で織ることで、大麻布が完成するのです。

【危機に瀕する大麻】
木綿や絹の普及によって、衣服としての利用は少なくなりましたが、依然大麻は日本各地で栽培されていました。
ところが第二次世界大戦後、日本がGHQの占領下におかれると突然大麻の栽培、生産が一切禁止されたのです。
表向きはドラッグ(薬物)に転用される恐れがある為となっていましたが、実際は違いました。
生活の様々な場面で使われていた大麻は、もちろん軍事用品にも多く使われていた為、日本の戦争遂行能力を下げる為に大麻の栽培を禁止したといわれています。
大麻の生産が禁止されると、産業的にも文化的にも大きな打撃となる為、政府や役所は禁止令の解除に尽力します。
その結果、約半年程で禁止令は解除され、その代わりに大麻取締法が出来、違法薬物としての利用は禁止しつつ、産業利用の栽培は許可制になったのです。
しかしこのような経緯をたどった結果、現在大麻の生産数は大幅に減少し、悪いイメージを植えつけられた為に文化的な側面からみた大麻を知っている人も少なくなってきています。
更に日本で大麻布を織ることが出来る場所は2箇所程しかなく、生産者数も10人以下にまで減っています。

名称 大麻博物館
住所 〒325-0303 栃木県那須郡那須町高久乙1−5
HP http://taimahak.jp/
電話 0287-62-8093

【参考情報】
日本古来の大麻を継承する会
大麻博物館パンフレット

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