シナ織

北は北海道から南は九州まで、広く日本に分布する「シナノキ」。
初夏には淡黄色の花をつける樹高20m程の落葉高木で、柔らかい樹皮が特徴です。
その特徴を生かして、古くから日本人はシナノキを生活の中で利用してきました。

【生活とシナノキ】
シナノキを糸にするには、まず樹皮を剥ぎ、樹皮の内側にある靱皮(じんぴ)を灰汁で煮たり洗ったりして、繊維を束として取り出した後、
その細かく裂いた繊維を指で拠りをかけてつなぎあわせ、1本の糸にしていきます。
縄文時代にはその糸から縄を作り、その後は漁のための網や袋、衣類などにも利用されていきました。

【現在のしな織】
木綿や絹以前、古くは全国で生産され、三大古代織(芭蕉布、葛布、しな織)の一つに数えられるしな織。
現在、主な生産地とされているのは山形県鶴岡市と新潟県村上市の2地域です。
これらの地区では、古くから自分の山や田んぼにシナノキを植え、農作業の合間に手入れをし、雪が積もる冬の間に糸作りを行って冬季の収入源としていました。
その後、化学繊維の台頭で各地の自然布が衰退していきますが、この地域では生産に携わる住民が協力し合い、伝統を現在まで繋いできました。

山形県鶴岡市の関川地域では、1985年(昭和60年)に関川しな織協同組合が運営主体となり、「関川しな織センター」を設立しました。
同組合には、この集落の全ての家庭が加盟しており、糸づくりを各家庭で行い、その後の加工をしな織センターで行うという分業制を確立し、現在まで続いています。
そして2000年(平成12年)には製品直売所の「ぬくもり館」を増設し、現座では年間1万人近くが訪れる人気スポットとなっています。

名称 関川しな織協同組合
URL http://sekikawa.shinafu.jp/
代表理事 五十嵐善幸
所在地 〒999-7315 山形県鶴岡市関川字向222
電話 0235-47-2502 / Fax 0235-47-2333

新潟県村上市の山熊田地域では、しな織の体験等を通し、交流人口の拡大を目的としたさんぽく生業の里企業組合が主体となり、2000年(平成12年)に「さんぽく生業の里」を設立し、その後体験作業施設を増設。
生産施設としても機能し、地域の伝統を後世に伝える役割を担っています。

名称 さんぽく生業の里企業組合
URL http://yamakumada.shinafu.jp/
代表理事 大滝 勝義
所在地 〒959-3917 新潟県村上市山熊田325
電話 0254-76-2115 / Fax 0254-76-2115

新潟県村上市の雷地域では、1972年(昭和47年)に地元の小学校で代用教員をしていた間清子さんが立ち上げた「雷しなばた保存会」が中心となり、雷ふるさと会館での展示や新製品の開発など、地域の伝統産業を守り継いでいます。

【伝統的工芸品への指定】
しな織は、2005年(平成17年)に経済産業省指定伝統的工芸品に指定されました。
「羽越しな布」という名称で登録されていますが、この名称は山形県の庄内地方の古称「羽前の国」と、新潟県の古称「越後の国」の頭文字が由来となっています。

【参考情報】
羽越しな布パンフレット1
羽越しな布パンフレット2

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