葛布

名称 大井川葛布
URL http://www.kuzufu.com/
名称 川出幸吉商店
URL http://www.kuzufu.jp/kawade.html

日本に広く分布し、つる性の多年草である「葛(クズ)」。
秋の七草の一つにも数えられ、くず切りや葛餅、葛根湯など、古代より食用や薬用としても利用されてきた植物です。
その葛の繊維で織った布が、葛布(くずふ)です。

【様々な用途に使われる葛】
葛葉、日本全土に自生しており、主に河川の土手に多く見られます。
地面を這い、他のものに巻きつきながら10mを超える長さになります。
春に芽を出し、夏の間に急激に成長する葛は、土壌を選ばずに生えるので土壌改良にも使われます。
またその成長の早さから現在ではベランダやテラスの日よけとしても利用されているほか、蔓の部分はカゴ作りなどにも利用されています。
食用としては、葛の根(長芋状の塊根)からデンプンを取り出して「葛粉」にして、それを葛餅にしたり、料理のとろみ付けに用いたりしています。
更に薬用としても葛の根を乾燥させたものが葛根(かっこん)という漢方として利用され、現在でも風邪の初期対策として自然由来の葛根湯(かっこんとう)は人気となっています。

【葛布になるまで】
葛の茎から靭皮繊維を取り出し、それを糸にして織りあげるのが葛布です。
葛が布になるまでの工程は、
・梅雨が明けた頃に刈り取りを始め、お湯で1時間程煮る。
・事前に刈り取ったススキの中に葛の束を入れ、状態を確認しながら発酵させる。
・表皮がとけるようになった頃に取り出し、皮の中で洗って表皮を落とし、靭皮を残して中の芯も抜く。
・乾燥させたあとに靭皮を細く裂く。
・裂いた繊維を結び、1本の糸にする
以上の工程を経て、ようやく織りの作業に入ることが出来、布として完成するのです。

【葛布の歴史】
葛布の歴史は古く、現在発見されているものでも中国で6300年前の葛布が出土しています。
このように古代から人類に利用されていた葛布ですが、日本でも4世紀頃の葛布が出土しています。
その後も貴族や武士の衣装に用いられ広く利用されていた葛布は、江戸時代には静岡県の掛川が最大の産地として有名になりました。
しかし明治維新による近代化によって需要が激減し、衰退の危機を迎えた葛布は、壁紙として輸出することで危機を乗り越えます。
ところが、輸出の需要をまかなう為に原料供給を韓国に頼り始めた後に突然韓国が原料輸出を規制し、再度危機を迎えます。
このような流れの中で非常に厳しい状況を迎えていた葛布ですが、最近の自然素材への回帰やライフスタイルの変化によって、再び注目を集めています。

【参考情報】
葛布読み物「自然布コラム:葛布について」
大井川葛布パンフレット
川出幸吉商店パンフレット

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