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自然布、古代織コラム第二回:宮古上布

宮古上布の画像
宮古上布は芭蕉布や紅型と並んで沖縄を代表する布であり、着物好きにとって一度は着てみたい憧れの一つではないでしょうか。
極細の手績みの糸による非常に軽く、また藍染を繰り返したその深い色目、そして非常に精緻な絣が人々をひきつけます。

【目次】
1.手績みの極細糸と藍染
2.宮古上布の歴史的背景

1.手績みの極細糸と藍染

宮古上布の着物画像
糸は島内で苧麻を育て、苧引きにより苧となし、それを引き裂き糸を績み一本の糸となしています。
苧麻の植え付けから刈り取りまで数ヶ月、ここから表皮を剥ぎ取り、さらに表皮の内側をミミガイで引きしごき繊維とします。
その後乾燥したものが「ブー」と呼ばれる糸の元になる繊維です。

そのブーを裂き撚り繋ぎながら一本の糸にしてきます。
その糸は非常に細くしなやかで、織り上がった布は蜻蛉の羽のようであると表現されます。

また宮古上布の特徴の一つにその深い藍染の色目があります。
琉球藍と蓼藍を使い濃紺にするまで約1~2週間の時間をかけ何度も染め・脱水・干す事を繰りかえり、しっとりと深みのある青味の黒となります。藍染めの手間を減らすために墨染めの上に藍染をすることで色を濃くすることは出来ますが、宮古では頑なに藍の色目にこだわっています。

宮古上布を身にまとっていると、その軽さと涼やかさに驚かされることかと思います。
体の熱を吸って発散してくれる布であり、軽く涼やかな、そして清涼な南国の布であると強く感じます。

宮古上布の歴史的背景

宮古上布の画像
宮古上布
現在の宮古上布はある意味では非常に技巧的な布で、自給するため発達したものではありません。
そこには宮古がおかれた環境が非常に影響しており、その布の悲しみの側面を物語っております。

宮古上布はおよそ他産地と性格が異なっています。
自ら植物を育て・糸に、布になして自ら使うというものではなく租税としての貢納布、いわば権力者の為の布であったといえるでしょう。

織手は村番所に集められ、役人に監視されながらひたすら布を織ったといい、極上の紺上布を織る事は死にまさる苦役と言われた時代がありました。素朴な布ではなく、技巧的にならざろう得なかった環境が今の宮古上布を作り上げたといって良いかと思います。

この布を身にまとっていると、なぜこうも美しい布が存在するのだろうと灌漑に浸ってしまします。

自然布でありながら他の布と一線を画し、非常に技巧的であり、ある意味人の手を極めた布といっても過言ではないでしょう。その背景には宮古島という環境におかれた悲しみの布という側面を忘れてはなりません。

自然布産地にとしては異質な、極上の染めと絣の技術を伴った布こそ、それが宮古上布なのです。

ライター : 宵衣堂 健太

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